東西緊張緩和が進む世界情勢の中で、近年政治・経済体制の枠組みを超えて交流を拡大する動きが国際的に活発化しつつある。このような動きは日本海をはさんだ対岸諸国との関係においても例外ではなく、わが国と旧ソ連極東・東シベリア地域、中国東北地方、北朝鮮、韓国などとの間でも交流が拡大しつつあり、また大規模なプロジェクトが提案されるなど、環日本海地域は新たな成長拠点として注目を集めている。
 これらの国や地域は、資源、労働力、資本などにおいてお互いに補完性を有していることが特徴であり、とりわけ戦後短期間にめざましい発展を遂げた我が国に対し、対岸諸国からは資本、技術、ノウハウの移転について熱い期待が寄せられている。
 北陸地域(富山県、石川県、福井県)は、第四次全国総合開発計画において「環日本海交流拠点の形成を目指す」として位置づけられているのをはじめ、日本列島の中央に位置するとともに関東、関西、中京の3大経済圏からほぼ等距離にあり、交流拠点形成に有利な地理的条件を有している。また、当地域は対岸諸国との交流窓口として永い歴史を有しており、さらに近年は貿易のみならず直接投資や技術協力、自治体による姉妹都市交流・友好提携の調印、大学を中心とした学術交流・留学生の相互受け入れなど、各方面において交流の実績を積み上げてきている。
 当地域が距離的に最も近い対岸諸国との交流を活発化させることは、単に地方の国際化という枠にとどまらず、21世紀にむけてわが国の国土の均等ある発展のためには不可欠である。

 このような観点に立つとき、当地域が環日本海経済交流のゲートウエイとして、内外に対する情報受発信機能を果たしていくという意識のもとに結集することが何よりも重要である。そのためには、連帯意識をもった広域的な取り組みにより諸機能の重複・分散を回避し、集積度をより高めるためのネットワークづくりを進めることが必要である。
 よって、ここに環日本海経済交流を産・官・学各界一体となって推進するため、当地域において広く参加を求め、また北陸以外の関係諸団体のご協力とご支援を得て、「北陸環日本海経済交流促進協議会」を設立せんとするものである。
 本協議会が、北陸地域のみならず環日本海地域の発展に寄与することを念願してやまない。

平成4年5月22日
北陸環日本海経済交流促進協議会