新春経済懇談会・会員懇談会

新春懇談会 年頭会長挨拶 2022年1月26日

公開日時:2022/01/26

新春経済懇談会挨拶

 

 会長の金井でございます。会員の皆様方におかれましては、日ごろから、当会の活動に多大なご支援、ご協力を賜り、厚く御礼を申し上げます。

 本年も、皆さまのお力添えをいただき、北陸の魅力を高める事業活動を展開し、北陸の創生、地域活性化に取り組んでまいりたいと存じます。これまでと同様、ご協力のほどよろしくお願い申し上げます。

 それでは、年頭にあたりまして、北陸経済の今後の見通し、2022年度の事業活動方針のポイントについて話をいたします。

 

 (北陸の経済見通し)

 まず、北陸の経済の現状ですが、昨年は、全体として「コロナ禍の落ち込みから回復に向かった1年」だったと思っています。製造業について、北陸地域の鉱工業生産指数でみますと、一昨年の5月を底として回復に向かい昨年の比較的早い段階でコロナ前の水準を回復しています。ただし、昨年後半はデルタ株の感染拡大により鉱工業生産指数の低下傾向がみられております。

 個人消費は、全国の民間最終消費支出で見ますと、これも一昨年の4-6期が底で一昨年は回復傾向にありましたが、昨年の年初の全国的な感染拡大で落ち込んだ後は年間をとおして感染状況にかかわらずほぼ横ばいとなり、コロナ以前を回復するには至っておりません。ただ、年末にかけては、感染の落ち着きとともに、それまで不調であった宿泊、飲食などは相当程度回復したものとみております。

 雇用については、有効求人倍率でみると一昨年の8月・9月が底で、緩やかな回復傾向が継続しています。

 次に今後の北陸経済の見通しについてですが、若干時期的に古くなりますが、昨年秋に実施した当会の会員へのアンケートでは、今後の景気の見通しについて、今期よりも来期は改善するというお答えが非常に多くなっていました。このほか、いろいろな方の見方を総合すると、今後、多少の足踏みはあるとしてもこれまでの全体としての回復傾向は緩やかながらも継続するとの見方が支配的であるように思います。

 ただし、以下の点につては注意が必要であるように思います。一つはコロナの感染状況です。足元では、オミクロン株の急速な感染拡大が続き、30を超える都道府県で蔓延防止等重点措置が適用されることになります。この2年間で、医療提供体制の整備が進み、ワクチンや治療薬が開発され、治療方法も進歩しました。感染の拡大防止と、社会活動、経済活動の継続の両立を図っていくことが重要であると思います。また、3回目のワクチン接種も加速する必要があると思います。

 次は、「原材料価格の高騰」です。非鉄金属・エネルギー資源・木材さらには食料、輸送コスト等の高騰が続いています。背景には世界経済の急回復による需要の急増に対して、主に労働力の不足により供給が追い付かない、あるいはサプライチェーンの混乱があります。ここでも感染拡大による人の移動制限の影響が出ているわけで、「原材料価格の高騰」による企業収益の圧迫、コストプッシュインフレに注意が必要だと思っております。

 

(2022年度北経連事業活動方針)

 次に、2022年度北経連事業活動方針についてです。ポイントとしては2022年度も引き続き、北陸新幹線等の社会基盤整備、企業の労働生産性の向上、多様性と一体性の両立に着実に取り組んでまいります。

  社会基盤整備での最重要課題は北陸新幹線です。金沢・敦賀間については、2024年春の開業に向け、鋭意工事が進められており、順調に進捗していると伺っております。敦賀以西については、何としても2023年春に着工したいと考えておりますが、このためには2022年度中に環境アセスメント調査を完了し、財源見通しを確保しなければならず、今年はまさに「正念場の1年」となります。当会としては関西の経済団体や北陸の三県と緊密に連携し政府に力強く要請するとともに、京都など関西での気運醸成に全力を尽くします。

 本件について、与党整備新幹線建設推進プロジェクトチームの体制が新しくなりましたので、先週新しい座長、座長代理にお会いして意見交換をいたしました。また、関西経済連合会と協力して京都経済界の方々にも、支援をお願いしてまいりました。

  次に、企業の労働生産性の向上と成長の面では、生産年齢人口の減少が予測される中、近未来ビジョンで掲げた一人当たり域内総生産700万円を実現するためには労働生産性の向上が不可欠で、北陸企業のデジタルトランスフォーメーションの推進へ情報提供やデジタル人材の育成に取り組みます。また、オープンイノベーションの促進のため、地域の大学と連携して産学融合拠点創出事業や北陸未来共創フォーラムをとおして、新たな事業価値の創出に向けて取り組んでまいります。

  多様性と一体性の両立の面では、特に女性の活躍が重要だと考えております。女性がやりたい仕事にチャレンジでき、一人一人が能力を発揮できる環境を整え『北陸は女性が働きやすい地域』のブランドをつくるため、地域社会や男女双方の意識改革、若い女性に選んでもらえる魅力ある企業をつくるよう取り組んでまいります。以上、本年の北陸経済の見通しと、北経連の取り組みについて簡単に説明いたしました。

 

  本年が、コロナ禍を乗り越えて、皆様方にとって幸多く、また皆様方の会社・組織にとって実り多い一年になりますことをご祈念申し上げまして、私の年頭の挨拶といたします。

以 上