会長コメント

財政制度等審議会における財務省提案(平成27年10月26日)について

公開日時:2015/11/24

北陸経済連合会
会長 久和 進

 

 北陸地域は、成長著しいアジアの諸国と日本海を介して対面しており環日本海における交流の中枢拠点として我が国の発展に重要な役割を果たすことができる地域である。

 当連合会では、このような地域の特徴を踏まえ、目指すべき北陸像を「自然と都市機能とが共生する、世界に開かれた産業・文化・交流の拠点」と位置付け、地域の活性化に向けた諸施策に積極的に取り組んでいるところである。

 当会にも参画する北陸地域にある富山大学、金沢大学、福井大学および北陸先端科学技術大学院大学は、地域産業の担い手として人間性、創造性豊かな人材を育成・輩出し、これらの人材が企業の中心的なリーダーとなり地域の産業の発展を牽引している。さらに、産業の基盤となる基礎的研究においても企業と連携したイノベーションの創出や共同研究による地域経済活性化に多大なる貢献を果たしており、今後も各国立大学がそれぞれの機能強化を推進し、地域の「知の拠点」として発展していくことが望まれる。

 この度の財政制度等審議会財政制度分科会における財務省提案は、こうした地域の国立大学の機能、役割を衰退させ、ひいては地方創生の根幹である人材の定着や産業の活性化に多大な影響を与えるものである。地域の国立大学の疲弊は地域の産業社会にも影響があるものと危惧する。

 中核的・基幹的な人材の育成や基礎的研究の成果は、一旦途絶えるとそれを取り返すために多大な時間と労力と費用を要することとなり、日々継続することが必要不可欠である。そのため、これを担う大学の基盤的運営経費への積極的投資は地方創生のみならず、日本の持続的発展を支えるために必須であると考える。

 当連合会は、先般北陸地区の国立四大学が発した声明を支持するとともに、今後政府の国立大学に対する力強い支援を要請する。

以 上