会長コメント

公開日時:2020/01/24新春懇談会 年頭会長挨拶 2020年1月23日

                       北陸経済連合会 会長 久和 進

新年明けましておめでとうございます。

日ごろから、当会の事業活動に多大なご理解・ご協力を賜り、厚く御礼を申し上げます。本年も引き続き宜しくお願い申し上げます。

まず、当会の2020年度事業活動方針等についてお話させて頂きます。

 北陸の経済状況ですが、1月15日に日本銀行が公表した「地域経済報告」いわゆる「さくらレポート」で、北陸の景気は「引き続き拡大基調にあるが、その速度は一段と緩やかになっている」と判断を引き上げました。昨年4月に続いて下方修正となりました。当会の会員企業への景気動向調査でも、景況感あ悪化してきています。今後はより悪化すると見込んでいる企業が多い状況です。北陸の産業構造は電機・電子部品や機械、化学などのウエイトが高く、世界経済の減速の影響が現れてきています。米中貿易戦争は幸い第一段の合意に正式署名され、一旦休止状態となりました。この合意の影響の見極めや、また再発の可能性もあり、今後も注視して行く必要があります。

 また、国内では消費では消費増税や台風被害による影響も懸念されますが、一方、機動的な補正予算や新年度予算の効果、また5G関連の設備投資、継続する省力化投資等も期待されます。

 新年早々、中東で緊張が走りましたが、今年も何が起こるか予測可能な状況は続くと予想されます。

 (北陸近未来ビジョン)

北経連では、昨年6月の定期総会で「北陸近未来ビジョン」を発表しました。北陸新幹線全線開業後の2030年代中頃をターゲットに北陸のありたい姿を「スマート・リージョン北陸」と名付けてとりまとめました。このビジョンは、北陸新幹線の大阪延伸の実現や人口減少・少子化高齢化、デジタル革新の進展等、社会・経済の方向を見据え、北経連が今後取り組むべき活動の方向性を示すものです。この「スマート・リージョン北陸」を形成していくために、2つの目標を掲げています。

 一つ目は、今後の人口減少社会にあっては、一人当たりの域内総生産(GDP)が重要であると考え、現状の「4百万円」を高い目標ではありますが、東京や北欧並みの「7百万円」に引き上げる目標を掲げました。生産性の向上や付加価値の増加を実現するためには、デジタル革新を進めなければなりません。そのために、社会人を対象としたデジタル技術の再教育によるデジタル人材の育成やAI・IoT等デジタル技術の導入による好事例の情報発信にも取り組みたいと考えております。

 もう一つの目標として、「多様性と一体性の両立」(ダイバシテイ&インクルージョン)を掲げました。年齢、性別、国籍、人種等の違いを「受容」するとともに、北陸の良さを失わず一体感を持ちながら、多様な人材が能力を最大限に発揮して、活き活きと活躍する社会の実現を目指してまいります。中でも、女性の活躍は重要なポイントとなります。子育てを社会全体で支援し、女性も責任ある仕事を続けていける地域にすることで、「北陸は女性がはたらきやすい」とのブランドを作っていきたいたいと考えています。そのためには、家事・育児に対する男性の積極的な分担など、男性の意識改革、行動改革も不可欠です。また、今後の労働力確保の観点から更なる高齢者の社会参画も図っていく必要があります。

(北陸新幹線)

 北陸新幹線は昨年10月に開業から4年半で利用者数が4,000万人に達し、好調さを持続していますが、10月の台風19号による浸水被害で2週間足らずにわたり金沢・東京間の直通が運休しました。その間には観光等を中心に甚大な影響があり、北陸新幹線が北陸と東京間の大動脈として大きな機能をはたしていることが改めて認識されました。今回の水害のような自然災害の頻発、激甚化や南海トラフ地震など、太平洋側で大規模災害が発生した場合のリダンダンシーの確保など、国土強靭化の観点からも早期全線開業を実現しなければなりません。

 水害直後ではありましたが、10月に関西経済連合会、大阪商工会議所と共に大阪までの全線開業時期の前倒しによる経済波及効果を発表しました。敦賀・新大阪間の開業時期を16年前倒しすると、16年間で約4兆3000億円、年間約2,700憶園の経済波及効果が見込まれます。大阪までの建設費が約2.1兆円と言われていますので、単純計算ではありますが、経済波及効果額の約8年分で賄えてしまうことになります。北陸新幹線がいかに優れた経済効果のあるインフラであるかが改めて確認されました。金沢・敦賀間ついては、来年度予算で工事に必要な予算が確保され、3年後の2022年度末には敦賀まで開業します。十分な準備を進める必要があります。

(2020年度事業活動方針)

 このような状況を踏まえて2020年は、「第四次中期アクションプラン」の総仕上げの年に当たります。「スマート・リージョン北陸」を見据え、持続可能な社会の実現に向けた取組みを進めてまいります。

 「住みたい、働きたい、魅力あふれる北陸」に向けては、東京一極集中を打破し、定住人口増加を目指すべく「地域力の向上」に取り組みます。また、「産業振興」の取り組みとして、Society 5.0 の実現を支えるAI,IoT、5Gなどの先端技術分野やベンチャー育成に関する支援を進めます。2019年度の会員懇談会では、統一テーマを「Society 5.0を支える最新技術動向と地域の取組み」とし、富山会場では「MaaS」を、石川会場では「5G」を取り上げました。今年2月には福井会場で「AI」をテーマに開催いたします。2020年度も引き続きデジタル革新に対する支援に取り組みます。

 「三大都市圏に隣接する特性を活かし、日本海国土軸の中枢としての役割を担う北陸向けて北陸新幹線については北陸三県、関西経済界と連携し、敦賀開業から切れ目のない敦賀・新大阪間の着工による2030年頃までの一日も早い全線開業を目指します。

人流・物流の基盤である道路、港湾、空港の整備促進に向けても引き続き取り組んでまいります。

 「地域の魅力を積極的に国内外に発信することにより、人や企業を惹きつける北陸」に向けては、海外諸国との経済交流会議の実施、首都圏・関西圏等へのPR・誘客活動に取り組みます。また、当会が提唱する「ゴールデンループ」による広域観光の推進・強化に取り組んでまいります。 

 第四次中期アクションプランは2020年度で終了しますので、本年は「スマート・リージョン北陸」の実現にむけ「第五次中期アクションプラン」を策定いたします。

 今年は、東京オリンピック・パラリンピックが開催されます。来年以降も「ワールドマスターズゲームズ2021関西」、2025年の大阪・関西万博と国家的・国際的なイベントが続きます。海外からのインバウンドも大きく増えます。「5G」が供用化されるなど、デジタル技術がさらに進展します。一方で、人口減少・少子高齢化などの影響が本格化してきます。「令和の時代」の変化を見据え、「スマート・リージョン北陸」の実現に向け、北陸が一層発展できるよう事業に取り組んでまいります。

 皆様からの一層のご支援、ご協力をお願い申し上げます。